思慮が浅く、無知なのは罪だ。
騙ました方が悪いのか、騙された方が悪いのか。
普通に考えれば、騙した方が悪いとなります。しかし、投資の世界においては「騙された方も悪い」というように世間からは見られてしまいます。
投資は自己責任で行うものであり、決断の結果に対して自らが責任を負う必要があるからです。
ではなぜ人は騙されてしまうのでしょうか。
今回の記事では、過去、新築ワンルームマンション投資に手を出してやらかしてしまった話を書いていきます。
新築ワンルームマンション投資とは
区分マンション投資とは、分譲マンションの一室を購入し、賃貸物件として貸し出す投資のことです。
ワンルームマンション投資も区分マンション投資に包括され、その中でも間取りがワンルーム(1R)もしくは1Kのマンションに投資することです。
そして、「新築ワンルームマンション投資」とは、その名の通り、新築のワンルームマンションの一室を購入し、それを貸し出すことで収益を得る投資方法を指します。
この投資の利点は、物件が完成したばかりで設備がすべて新しいため、入居者の需要が高く、安定した賃料収入が見込めることです。また、物件の耐用年数が十分に残っているため、大規模修繕工事が必要になるまでには長い期間があることから、長期的な資産運用に適している点も大きな魅力です。
新築ワンルームマンション投資は危険
完成したばかりなので外観も内観もキレイで清潔感があり、最新の設備が整っているので快適な居住空間で暮らせるというのが新築の魅力です。
若い人たちには特に「新築」というプレミアに惹かれるところがあり、多少家賃が高くても入居希望者は多いです。しかし、俗にいう「新築プレミア」というのはそんなに長い期間保たれるわけではありません。
一度誰かが住めば、その部屋は「中古」となりますし、設備も少しずつ古くなっていきます。
投資の視点で考えた場合、当然ですが、中古のワンルームマンションよりも物件価格が高くなります。「新築プレミア」というのは、かなり値が上乗せされるので、築2~3年過ぎた頃には、当初の70%ほどの値段にまで落ち込むことは珍しくありません。
さらに言えば、物件価格が高い分、築浅中古と比べると、利回りがさほど高くなりません。新築ワンルームマンションの利回りの平均値は「4%」程度と言われます。
新築ワンルームマンションの価値低下【管理人所有物件の実績】
上記までは一般的に言われる話です。ここからは当ブログ管理人である私の所有物件の実績を公開します。
2021年に購入した物件であり、その3年後の2024年に依頼した見積もり結果です。
購入価格:2,390万円
売却価格(見積もり):1,910万円
その差額、480万円です。
この見積もりは、見積もり依頼を出した不動産会社が直接買い取りした場合の価格であり、他の不動産会社と相見積もりをしたり、仲介契約を結んで不動産市場から買手を見つけるなどすれば、もう少し差は埋まるかもしれません。しかしそれらを踏まえたとしてもかなりの下落となることは間違いありません。
下落率は以下の計算式で求められます。
(購入価格 - 売却価格) ÷ 購入価格 × 100
私のケースでは、下落率は以下になります。
(2,390万円 - 1,910万円) ÷ 2,390万円 × 100 = 約20%
つまり当初の80%ほどの値段にまで落ち込んでしまっています。前述した70%までは下落しませんでしたが、円安、インフレ(物価高)となっている中でのこの価格なので、相当下がってしまっていると言えます。
新築ワンルームマンション投資の利回り【管理人所有物件の実績】
利回りには、表面利回りと実質利回りがあります。
表面利回りは、年間の総賃料収入を物件の購入価格で割ったものです。対して、実質利回りは、表面利回りから管理費や修繕積立金、税金などの経費を差し引いたものです。より現実的な収益性を示します。
東京都内の新築ワンルームマンションの表面利回りは、一般的に年利4%~5%程度とされています。(ちなみに、マンション投資で利益を上げていこうとするには東京都内の物件でも少なくとも6%以上は必要と言われています。)
表面利回りは以下の計算式で求められます。
年間賃料収入 ÷ 購入価格 × 100
私の所有物件では、表面利回りは以下になります。
年間賃料収入:90万円
購入価格:2,390万円
90万円 ÷ 2,390万円 × 100 = 4.5%
しかし、前述のとおり現実的な収益性を示すには年間経費(管理費や修繕積立金など)を含めた実質利回りで考える必要があります。私の所有物件の実質利回りは以下になりました。
年間賃料収入:90万円
購入価格:2,390万円
年間経費※:11万円
※ここでは管理費、修繕積立金のみを経費としています。
(90万円 - 11万円) ÷ 2,390万円 × 100 = 3.3%
実質利回りは3.3%とひどい結果となってしまいました。
この利回りで収益をあげていくのは実質的に不可能です。
その理由となぜこの物件を購入したのかについては次の記事で書いていきます。
まとめ
投資にはリスクが伴うことを理解せず、メリットだけを都合良いように捉えて飛びつくと騙される可能性が高くなります。
本記事冒頭の「騙された方が悪い」という表現は、自己責任の重要性を強調するためのものであり、実際には騙した方が責任を負うべきものです。
しかし、それでも慎重に行動すれば防げた事態であるというのも疑いようのない事実です。また、騙したわけではないという言い分も必ずしも否定できないところがあります。
信頼できる情報源からの情報を活用しつつ、自身でも十分に考えることが大切である。
自分で書いてて虚しくなってきますが、投資とはそういうものです。