保険を解約しました。【プルデンシャル生命 巨額の金銭不正受領問題】

2026年1月にプルデンシャル生命で発覚した金銭不正受領問題。同月にあった日銀の政策決定会合や衆議院解散など大きなニュースが飛び交う中でも、各種メディアで大きく取り上げられました。発覚してから2ヵ月以上が過ぎましたが、インパクトが大きかった分、まだ記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。

100人以上の社員・元社員が、約500人の顧客から合計約31億円を不正に受け取っていたことが明らかになったという、とんでもないニュースであり、保険業界全体の信頼にも関わる大きな問題にまで発展しました。

貯蓄型の保険に入っている方は、保険業界に対して強い不安を覚えた方も多いでしょう。私もそのひとりです。

そして何より、私の場合は、その問題となっているプルデンシャル生命の貯蓄型生命保険に入っていたので、恐怖を覚えたどころではなかったです。

問題の内容も内容ですので、すぐに担当の営業に連絡を取り、どうなっているのか説明してほしいと伝え、この前お会いしました。

そしてその際、ほぼすべての保険を解約しました。

今回の記事では、その顛末と無事に解約できたのか、リターンはどうなったのかについて綴っていきます。

無事に解約できたのか

どんな保険に加入していたのかは後述しますが、まず結論から言うと、解約は問題なく完了しました。

報道されていた被害額の大きさから、解約が殺到することは容易に想像できました。同社の記者会見では「資金は潤沢にある」と説明されていましたが、そのまま鵜呑みにできる状況ではありません。

そこで、すぐに担当営業へ連絡を取り、翌週末に面談を設定して解約の意思を伝えました。引き止められることもなく、手続きは驚くほどあっさり進みました。

その際に「解約の申し出、増えているのではないですか?」と聞いてみたところ、担当営業は「私の担当のお客様では、ほとんど解約の話は出ていません」と話していました。

私は「信頼されているんですね」と返しましたが、その翌週にはYahooニュースで「解約殺到」という記事が掲載されていました。

解約返戻金はどうなった?

財務状況が不安視される中で、「本当に解約返戻金は支払われるのか」という懸念がありました。しかし結果としては、解約返戻金は問題なく振り込まれました。

しかも、払込金額を上回る金額が戻ってきたため、投資商品として見ても「かなり良いリターンだった」と言える内容でした。

加入していたのは「変額保険(有期型)」

私が加入していたのは 変額保険(有期型) という商品です。

変額保険とは、保険料の一部を投資信託で運用し、その成果によって将来の受取額が変動するタイプの保険のことです。名前の通り、保険金や解約返戻金が“変額”になるのが最大の特徴です。

その中でも「有期型」は、

保障が一生続くわけではなく、一定期間だけ続くタイプを指します。

私の場合は 65歳までが保障期間で、

・期間中に亡くなれば死亡保険金が支払われる
・無事に満期を迎えれば満期保険金を受け取る

という仕組みでした。

変額保険のメリットとデメリット

変額保険には、投資信託を自分で買うよりも有利な点があります。

代表的なのは 運用益が非課税で再投資されることです。運用益に税金がかからないため、複利効果が効きやすく、長期運用ではメリットになります。

一方で、

・運用の信託報酬
・保険としてのコスト
・特別勘定の管理費

などがかかるため、コスト面では割高です。また当然ですが、払込金額すべてが投資に回されるわけではありません。

そのため、「保険としても投資としても中途半端」と指摘されることも増えてきました。

リターンはどうだったのか?

では、実際のリターンを具体的に見ていきます。

月々の保険料:12,510円
支払期間:59ヵ月
総支払額:738,090円

そして、解約返戻金は 876,638円 でした。

差し引きすると、

増えた金額は 138,548円

これを年率換算すると「約3.5%」の利回りになります。

通常、この手の保険商品は、短期(5年未満)でプラスになるケースは多くありません。保険コストや運用コストが重く、元本割れで終わることも珍しくないためです。

しかし今回は、

・年利 約3.5%
約14万円の利益
・運用期間は5年未満

という結果になりました。

これは、変額保険としては十分に優秀なパフォーマンスと言ってよいでしょう。

保険商品としてはどうだったのか?

変額保険には「保険」と「投資」という2つの側面があります。

前述のとおり、私が加入していたのは 月々12,510円・65歳までの有期型であり、死亡保障は「500万円」の契約でした。

ただ、同じ500万円の死亡保障を 定期保険(掛け捨て) で用意しようとすると、費用はまったく違います。

実際にライフネット生命のWebサイトで見積もりを取ってみたところ、私が今から加入した場合でも「月1,200円程度」でした。

つまり、

変額保険:12,510円
定期保険:1,200円

保険料は 1/10以下 という結果で、保険としてのコストパフォーマンスは明らかに悪いと言えます。

投資商品としてはどうだったのか?

とはいえ、変額保険はそもそも「保障目的」よりも 資産形成目的の色が強い商品です。保険として割高なのは、ある意味で当然の結果です。

では、投資商品としての結果はどうだったのか。

今回の変額保険の年率は「約3.5%」でした。

この数字が良いのかどうかを判断するために、私が新NISAで運用している「オルカン」と比較してみます。

2024年1月~2026年3月末時点のオルカンの成績は以下の通りです。

元金:2,100,000円
評価額:2,482,161円
年率換算:約7.9%

投資期間が完全に一致しているわけではありませんが、2024~2025年は「エブリシングバブル」と言われるほど、米国株を中心にあらゆる資産が強かった時期です。

その恩恵を両方が受けていることを考えると、やはり「オルカンと比べると変額保険のリターンは見劣りする」結果となりました。

まとめ

いろいろと話題になったプルデンシャル生命ですが、私の場合は 解約手続きに一切の障壁はなく、驚くほどスムーズに完了できました。さらに、解約返戻金も総支払額を上回る金額で戻ってきたため、結果としては満足のいくものでした。

今回の不祥事は、退職者を含む一部の社員によるものとされています。

私自身、担当者にはこれまでライフプランの相談にも何度か乗ってもらっており、会社全体に対して強い不信感を抱いているわけではありません。

保険は金銭的なリターンだけでなく、担当者との関係性や安心感といった「目に見えない価値もある」と感じています。

とはいえ、今回の解約と運用結果を踏まえて、今後の方向性はより明確になりました。

・保障は掛け捨てで安く確保する
・資産形成はNISA・iDeCoで効率的に行う
・保険と投資は分けて考える

この方が、トータルで見て「合理的で無駄のない設計になる」ということを、今回の経験から改めて実感しました。

収入が右肩上がりに増えることが期待できず、むしろ可処分所得が減り続けている今の時代において、今回の保険解約を通じて実感した 「経済合理性を重視し、無駄を削る姿勢」 は、これからますます重要になっていくと感じています。