不動産投資は究極の不労所得などと言われますが、それは成功した人の言葉です。成功者がいる裏で失敗した人もいるのが世の常です。今回の記事では、区分マンション投資のデメリットについて考えていきます。
空室
区分マンション投資では借金を返済する原資となるのは、入居者から得られる家賃収入のみです。空室が何ヶ月も埋まらないことも十分に考えられます。もっと言えば、運悪く滞納常習者が住み始めて家賃が何ヶ月も振り込まれないといったこともあり得ます。
そのような理由で家賃収入が途絶えることも考慮しておかないといけません。さらに、エアコンやトイレの故障などの修理費は基本的にオーナー負担となります。そういった不定期に発生する費用もあります。家賃収入が入らなくても、管理費、修繕積立金などの毎月の固定費、加えてローンの返済分は変わらず支払わなければなりません。
大抵、毎月の家賃収入と、ローン返済+固定費でプラマイゼロになるくらいの収支で返済計画を立てることが多いので、空室になったら家賃収入と同等の金額を払わなければなりません。
物件価値の低下による家賃下落
空室状態が何ヶ月も続く場合、それはその物件の価値と家賃価格が釣り合ってないということです。その場合、家賃を下げることを考えないといけません。
基本的に物件は古くなればなるほど価値が下がっていくため、購入当初の家賃をずっと維持できると考えていると非常に危険です。
将来的な金利の上昇
区分マンション投資の場合もほとんどの方は変動金利でローンは組むことになるかと思います。2021年現在は国の政策により、超低金利なので、ローンの金利も非常に安くなっており、借りる側としてはものすごく有利な状況です。ただ、この金利がいつまでも続くとは限りません。むしろ金利はこれ以上は下げれない水準にいるので、今後は上がることはあっても下がることはないと考えておく必要があります。
修繕積立金、管理費の上昇
建物管理会社に支払う修繕積立金や管理費はマンションオーナーが払うことになり、毎月かかる固定費となります。この金額も将来ずっと一定というわけではありません。むしろ、年数が経てば経つほど、金額は上がっていきます。
それらのお金は、マンションの共有部分(エントランス、ロビー、外壁など)の維持、管理、修繕に使うものです。特に修繕積立金については、新築の場合は必要なく数百円で良いところもありますが、築年数とともにあちこちガタが来て、費用もかかるようになるため、月々、数百円の積立で賄えるわけがありません。
むしろ、あまり安すぎると、建物のメンテナンスがされてなく、ボロボロのマンションでないかと疑ったほうが良いです。
部屋の設備故障や原状回復費用
購入した部屋のエアコンやトイレ、キッチンなどの設備はマンションオーナーが所有するもので、それらが故障した場合の交換費用はマンションオーナーが負担する必要があります(住居人に過失がある場合を除く)。
使用しているのは住居人なのだから、住居人が払うべきではないかと思うかもしれませんが、基本的にそれらの費用は毎月の家賃に上乗せされているため、オーナー負担となるわけです。
営業担当者の辞職
区分マンション投資をはじめるにあたり、担当の営業マンがついてくれて、物件探し、銀行や管理会社などとの仲介、空室になった場合どうするか、確定申告のやり方などなど、いろいろ親切に教えてくれると思います。生命保険の担当者と同じようなイメージです。
結局、投資をやるかやらないかの判断要素として、その営業マンが信じられるかどうかが決めてとなると言っても良いでしょう。実際、営業マンを信じて、区分マンション投資についてほとんど勉強せずに、その人に全て任せてしまう人も多いようです。
ただ、こちらは一生涯の付き合いと思っていても、相手の都合等もあり、途中で辞めてしまうこともあるでしょう。担当者とソリが合うかどうかというのはとても重要で、次の担当者が合わない場合も十分にありえます。
そのため、あまり担当者に依存しすぎてしまうのは危険であり、頼れるところは頼って、自分自身も勉強していくよう心がけるのが良いでしょう。
まとめ
このように、なかなか思った通りに返済できないこともあり、年数が経てば経つほど、リスクは高くなっていきます。
空室や滞納、あるいは家賃下落により、家賃収入が低下したり、金利が上昇して返済額が増えたり。特に戸数が多いとその分だけその反動も大きくなります。ですので、そのようなイレギュラーな事態が起きても、月々の返済が滞りなくできるくらいの余裕を持たせておく必要があります。
まだローン返済が残っているのに新たに借金をして資産を膨らませていくのは非常に危険です。借金はできるだけ少なくして、堅実に資産を増やしていくことが、これらデメリットに対する対策のひとつとなります。