最近のポイント事情はまさに戦国時代であり、我々消費者は、その事情にあわせて、クレジットカードを何枚もつくり、貰えるポイントを逃さないように努力しています。「ポイ活」なんて用語もでてきましたね。PayPayやLine Pay、楽天 Payといった電子決済も当たり前になり、各社のポイント還元率競争が激しくなる一方です。
さすがに疲れてきたのが本音ではないかと思うのですが、各社シェア争いの激化もあって、還元率が高く無視できるものでもありません。うまく買い物すればポイントもザクザク貯まっていきます。
さらに、貯まったポイントを使って、投資をし、利益を上げるなんてこともできます。
2016年12月にセゾンカードが「永久不滅ポイント運用サービス」をスタートさせたことを皮切りに各社も続々とポイント投資サービスをスタートさせています。投資初心者や若年層をターゲットに、ここでも競争が激しくなっています。
今回は、マンション投資から少し離れて、そのポイントを使った投資について見ていきます。
ポイント投資のメリット
ポイント投資のメリットはひとつです。それはローリスクである、もっと言えば、リスクなしで投資ができる点です。
実際のお金ではなく、クレジットカードなどで買い物した際に付与されるポイントで投資できるので、極端な話、株価が暴落しても、なくなるのはポイントだけで、お金はなくならないというわけです。
ポイント投資とポイント運用
前述のとおり、クレジットカードなどで買い物した際に付与されるポイントで投資をし、利益を得ようとすることを「ポイント投資」と言いますが、厳密には投資の方法によって、「ポイント投資」と「ポイント運用」との二種類に大別されます。
ポイント運用
ポイント運用とは、ポイントを運用会社に預けて運用してもらうサービスのことです。運用によって得た利益は現金ではなく、あくまでポイントとして受け取ります。実際のお金が得られるわけではないため、「疑似運用型」とも呼ばれています。
疑似運用型と言っても、実際の株や為替の値動きに連動して、ポイントが増減します。つまり、本物の金融商品を購入する点は、実際の投資と変わりません。ただ、本来、投資をする場合は証券口座を開設する必要がありますが、ポイント運用の場合は、証券口座を開設しなくても良いため、始めるための敷居は低いです。
何の株を買ったら良いのかわからないという方も、ポイント運用会社が用意したコースを選ぶだけで始められるため、ものすごく簡単です。また、運用中のポイントは基本的に、いつでも引き出して使えます。
ポイント投資
ポイント投資は、貯めたポイントを現金に変えて、実際の株や投資信託の買い付け代金として利用します。現金化するため、「現金投資型」と呼ばれます。
ポイント投資を始めるには、証券口座を開設する必要があります。購入できる金融商品の種類は、実際の投資とほぼ同じで、投資で得た利益もポイントではなく、現金で受け取ります。毎月、指定した金額分のポイントが差し引かれることになりますが、ポイント残高が不足していた場合は、現金が引き落とされることになるため、完全にポイントだけで投資がしたい場合は、その点の注意が必要です。
ポイント運用とポイント投資の違い
ポイント運用とポイント投資の違いは、リターンがポイントとなるか現金となるかです。
ポイント運用は、投資する株を選んで購入するのではなく、運用する方向性(バランスよく安全にするか、リターン重視とするかなど)を選ぶだけです。あとは実際の市場の値動きに合わせてポイントが増減します。
対してポイント投資は、証券口座を開設して、自分で金融商品を選び、ポイントで購入します。その商品で利益がでれば現金で受け取れるというわけです。
また、現状、ポイント運用で増えたポイントについては課税対象になりませんが、ポイント投資で得た現金利益は課税対象になるため、利益がでた場合は確定申告をする必要があります。
ポイント投資するならどこが良い?
ポイントと言えば、何を思い浮かべるでしょうか。Tポイント、dポイント、楽天ポイント、LINEポイント、auポイント、他にもイオンのときめきポイントなどなど他にもたくさんあります。
大手のポイントであれば、大抵、ポイントを使った投資ができるようになっています。例えば、Tポイントであれば「ネオモバ」、dポイントであれば「THEO+docomo」、LINEポイントであれば「LINEポイント投資」などです。
それらのうち、どれが一番良いかということになりますが、どこもそこまで大きな差はないため、自身が一番貯まりやすいポイントを使って投資するのが一番良いかと思います。
その中であえてひとつあげるなら、楽天ポイントの「楽天ポイント投資」がおすすめです。手数料が基本的に無料であり、取り扱っている金融商品も多いです。楽天ポイント自体が貯まりやすいというのも大きいですね。
ポイント投資は現金で行う投資より心理的なハードルが低く、気軽にできる点が良いです。ただ、とはいっても最近のポイントは現金と同様の価値を持っているとも言えるため、無理のない範囲でポイント投資を行うことが大切です。