ワンルームマンション離れが加速?【コロナ禍における不動産事情の変化】

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、2度目の緊急事態宣言が発令されています。これを受け、対象地域の企業は「出勤者数の7割削減」への協力を要請されました。

最近、ようやく感染者数が落ち着いて来た感があり、ワクチン接種もはじまっています。まだまだ予断を許さない状況ではありますが、終息の兆しが見えてきたように感じます。

ただ、緊急事態宣言はまだ解除されておらず、外出自粛やテレワーク推進は続いています。

私の勤めている会社もその対象であり、少なくとも週2回はテレワークとするように言われています。身近な人にも聞いてみても、既にテレワークが定着しているところもあるようですが、2度目の緊急事態宣言をきっかけに一段と広がりをみせているようです。

このような状況下で、ワンルームマンション離れが進んでいると聞きます。今回の記事では、コロナ禍におけるワンルムマンション投資事情の変化について考えてみます。

管理人のワンルームマンションは大丈夫?

まずは私が所有しているワンルーム(1K)マンションの入居状況についてお伝えします。私は江東区と大田区にそれぞれ1部屋ずつ所有していますが、今のところ退去はなく、毎月無事に家賃収入を得られています。
同じマンションの他の部屋の賃貸入居状況を調べてみましたが、入居募集をかけているのは、1棟目が4部屋、即日入居可能となっているのは1部屋で、もう1棟は満室状態、だいたいそんなもんだろうといった状況でした。

テレワークが定着してきて、学生もリモート授業が増えたこの状況において、会社や大学の近くに住んで通学、通勤する必要がなくなっていますが、都心部の需要はあまり減っていないように感じます。ただ、微妙な立地のワンルームマンションは空室が増えているとも聞きます。

ワンルームマンションから離れる人の声

ワンルームマンションから離れる人の声を集めてみました。

ワンルームマンションから離れる人の声
  • 20平方メートル程度の狭い空間で仕事をするのは窮屈過ぎて無理。
  • これまでは会社に近いところに住んでいたが、テレワークになってリモートで仕事をするようになり、都心に住む必要がなくなった。
  • 都内より郊外の方が家賃が安く、同じ家賃で広い部屋を借りられる。

やはり、テレワークやリモート授業となったので、出勤、通学しなくてよくなり、郊外に引っ越して安い家賃で広い部屋で暮らせるというような理由が多いようです。

郊外に引っ越して良かったと思ったところについての声も集めてみました。 郊外に引っ越して良かったところは?

郊外に引っ越して良かったところは?
  • 都内だと人が溢れかえっていて、カフェに行っても席がいっぱい、買い物にいってもレジで清算するまで時間がかかっていたが、郊外だとゆっくりコーヒーを飲めるし、買い物もしやすくなった。
  • 店員の対応も良くなって暮らしやすくなった。

都内で暮らしていたときに感じていたストレスがなくなったという声が多いですね。店員の対応についても、都内だといかに早く客をさばくが大事ですが、郊外だとそんなに焦らなくても良いため、そういった余裕が店員の態度に現われているのでしょう。

コロナで本当に都心離れが進んだのか

本当に都内から郊外に移る人が増えているのか、総務省が2021年1月末に公表した人口移動報告を見てみます。

出典元:住民基本台帳人口移動報告 2020年(令和2年)結果

東京都は約3万人の転入超過となっています。2020年はコロナ禍真っ只中でしたが、それでも、東京から出ていく人より、入ってくる人の方多いという結果でした。ただし、前年に比べ5万1857人縮小しています。

では、同じように緊急事態宣言が発出された、名古屋、大阪圏を確認してみます。

名古屋圏は1万7387人、大阪圏は118人の転出超過となっています。特に愛知県は転出超過数が最も拡大した県という結果となり、コロナの影響は出ていると考えるのが妥当でしょう。

あれだけ感染者が広がった東京はまだ大丈夫そう。一見そう思うかもしれませんが、はたしてそうでしょうか。月別のデータを見てみます。

最初の緊急事態宣言が発令された2020年4月7日。4月、5月の転入超過数は前年に比べ大幅に減り、7月はマイナス(転出超過)に転じています。上図は東京圏(東京都,神奈川県,埼玉県,千葉県)のグラフですが、東京都に限れば、2020年5月に2013年7月以降初めての転出超過となり、2020年7月以降も転出超過で推移しています。

都心離れとまでは行きませんが、都心に来る人が減ったのは事実のようです。

まとめ

私が所有しているマンションの他、近隣の同類マンション物件も調べてみましたが、空室率が上がっているということはないようです。東京都については年単位で見れば、転入超過でしたが、月別で見ると2020年の下半期は転出超過で推移しています。

緊急事態宣言発令直後は特に、街は閑散として静まりかえり、通勤電車もガラガラ。昨年の今頃、新型コロナウイルス感染症との戦いが1年以上続くとは正直思ってませんでした。学校の長期閉鎖や各種イベントの中止、思っても見なかったことが次々と起きているこの状況下です。

東京23区内であれば、特に影響は出ていないと言いたいところですが、その結論はまだ早計のようです。2021年、コロナが収束するのか、収束した後どうなるのか、その辺りの動向を注視していなかいといけないようです。