ワンルームマンション投資 節税

「なぜ税金がこんなにも必要なのですか?」

働いても働いても増えない給料。それでも諦めずに身を削って働いてようやく上がった給料。

しかし毎月の給与明細の額面と手取りの差に愕然としてしまうというのはよくある話だと思います。

そんなときに、「ワンルームマンション投資をはじめれば節税できます!」という話を聞いたらどうされますか?

はじめてその話を聞いたとき、その謳い文句に惹かれてしまうこともあるでしょう。ただ、やはり注意点があり、それを知らずにその言葉をそのまま信じてしまうとイタイ目を見ることになります。

本記事では、ワンルームマンション投資は本当に節税効果はあるのか、私の実績をもとに考えていきます。

ワンルームマンション投資 節税効果の実態【結論】

結論から言ってしまうと、

節税効果はワンルームマンション購入初年度は「」、
所有期間中は「若干ある」、
売却時に減税された分が課税される

つまり、最終的に節税効果はほとんどなかったというのが実態でした。

あくまでこれは私のケースとなりますが、大抵、この結果に近い形になるのではないかと思います。

なぜ節税になると言われるのか?その仕組みを知る

漠然と「節税」になるからと区分マンション投資をはじめてしまうと多くのケースで大失敗します。

なぜ節税になり、どれくらいの効果があるのか、そこを把握できていないと、不動産を持つことで課せられる固定資産税や都市計画税の方が高くなり、節税どころか増税になってしまいます。

ワンルームマンション投資のような不動産投資がなぜ節税になるのか、その基本的な仕組みについては、以下の記事で解説しています。

要するに、会社員が受ける給与所得と不動産投資によって得られた不動産所得は通算することができ、不動産所得がマイナス、つまり「赤字」となることで課税所得が減り、節税になるということです。

赤字になってしまったら投資する意味がないのではと思われるところだと思いますが、不動産投資においては以下2つの勘定科目を経費とすることができ、それが不思議と節税効果を生み出してきます。

  • 減価償却費
  • ローン金利

もちろん、他にも経費計上できる科目はありますが、上記2つがポイントとなります。

なぜならこれらは、実質的には手出しがないものとなるからです。

減価償却費

減価償却費は、建物や設備の購入費用を「耐用年数」にわたって分割して経費として計上するものです。

建物は、構造や素材により、法律で「耐用年数」が決まっています。

耐用年数は、対象となる固定資産を使用した場合、価値を使い切ると予想される年数をあらかじめ定めたものです。

ワンルームマンション投資であれば、多くのケースで建物の構造は「RC造」であり、耐用年数は47年となります。

建物の購入にかかった費用を、この年数で割った金額を減価償却費として毎年、費用に計上することができます。(注意点として、減価償却の対象とできるのは「建物」のみであり、「土地」は含まれません。)

ローン金利

物件購入のために銀行などから借りたお金は、毎月、決まった額を返済していくことになります。

その返済金額の何割かは借入金の元本ではなく、金利に充てられます。

銀行への毎月の返済額のうちの金利支払い分を経費として計上することができます。

こちらも、基本的には家賃収入から支払っていくものであるため、我々オーナー(投資家)は手出しなしで経費とできるというわけです。

この「減価償却費」と「ローン金利」の2つの勘定科目があるため、基本的には不動産所得がプラスとなることはなく、課税所得が減少するため、節税になるという仕組みです。

売却時に減税された分が課税される

しかし、そんなうまい話というのはなかなかありません。

簿記の貸借対照表(資産と借金の関係性を明示したデータ表)は、左側(借方)には「資産」の勘定科目、右側(貸方)には「負債」と「純資産」の勘定科目が並び、最終的には必ず「資産=負債+純資産」が成り立ちます。

何が言いたいかと言うと、減価償却した分は必ずどこかで帳尻合わせされるということです。

不動産投資において、そのタイミングが物件の売却時です。

売却益(譲渡所得)の算出時に、減価償却により低下した不動産価値を考慮しなければなりません。

売却益は、「物件の購入価格と購入にかかった費用」(取得費)から「売却価格と売却にかかった費用」を減算することで計算するわけですが、その結果からさらに、所有期間中の減価償却費相当額を差し引かなくてはいけません。

毎年、減価償却として費用計上しているわけですので、当然と言えば当然です。

つまり、仮に売却価格が購入価格より低くなって、売却損となったとしても、帳簿上では売却益となり、結局、課税されることになります。

こうして、所有期間中に節税された分が調整され、しっかりと課税されるというわけです。

まとめ

本記事冒頭の「なぜ税金がこんなにも必要なのですか?」という問いかけに対する教科書的な回答は以下です。

教育、医療、警察、消防などの公共サービスの提供、道路、橋、公共交通機関、水道、電力供給などのインフラ整備、年金、生活保護、失業手当などの社会福祉、他にも国の治安維持や経済安定化のために税金は使われる。

これらはあたらめて説明するまでもなく、周知の事実だと思います。

どれも必要なものであるということはわかりますが、それにしても取り過ぎではないのか。しがないサラリーマンでは、そんな不満が芽生えてくるわけです。

そんなときに、「ワンルームマンション投資をはじめれば大きな節税となる」と言われれば、その話に飛びついてしまうこともあるでしょう。

もちろん、知っている人から見れば、そんなうまい話があるわけないと一蹴するのでしょうが、その手の話をよく知らない人にとっては、良い部分だけの説明を受けることで話に乗ってしまうこともあります。

しかし物事は表の面があれば、必ず裏の面もあります。そしてそれは知らなかったでは済まされないことばかりです。

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