新築区分マンション投資を始めて、早くも4年あまりが経過しました。
当時は、ここまでコストが上昇するとは想像もしていませんでした。購入時の見通しの甘さが、今になって浮き彫りになってきています。
物価の上昇、金利の引き上げ、税金や社会保険料の増加―― いずれも十分に予測可能だったわけですが、これほど急激に進行するとは思いもよりませんでした。
2025年の区分マンション投資における収支がほぼ出揃いましたので、 本記事では、購入当初からのコストの変化と、現在のローン返済状況を公開します。
さらに、2026年1月~6月分の返済予定表も届きましたので、 借入金利の動向についても併せてご紹介します。
管理費・修繕積立金
物価高の影響で管理費や修繕積立金が上昇し、賃貸物件オーナーが悲鳴を上げている――そんなニュースをよく目にします。
私の所有物件については、新築で購入したこともあり、現在のところ管理費と修繕積立金を合わせて月額9,200円と、今のところ変動はありません。
とはいえ、当時の新築ワンルーム投資のスキーム上、修繕積立金はかなり低めに設定されており、築年数の経過とともに今後の増額は避けられないと考えています。
実際、管理組合から送られてくる財務諸表を確認しても、現在の積立額では築10数年後に予定される大規模修繕をまかなうのは難しいのではないかと感じています。
このあたりの詳細については、別の記事で改めて掘り下げてみたいと思います。
金利上昇
現在、実際に大きな影響を感じているのが、金利上昇による利息支払い額の増加です。
借入当初の金利は「2.00%」でしたが、2025年7月からは「3.35%」へと、実に「1.35%」も上昇しています。
金利がどのように推移してきたのかについては、別記事で詳しくまとめていますので、そちらもぜひご覧ください。
では、この「1.35%」の上昇がどれほどのインパクトをもたらすのか、年間の利息支払い額の変化で見てみましょう。
私の場合、借入金額は当初「2,160万円」でしたが、繰上げ返済をまったくしなかった場合、現在の残債想定は「2,000万円」程度です。これをもとに試算すると、
金利2.00%時の年間利息:2,000万円 × 2.00% = 40万円
金利3.35%時の年間利息:2,000万円 × 3.35% = 67万円
差額:67万円 − 40万円 = 27万円
つまり、年間で約27万円、月額にすると約2万2,500円の利息負担増となります。
この負担増が本当に問題なのです。何が問題なのか、私の月々の返済パターンで考えてみます。
借入残高2,000万円に対し、月々の返済額は71,550円。 この返済額のうち、元本と利息の内訳を金利別に比較すると以下の通りです。
<2.00%>
月返済元本:33,333円
月返済利息:38,217円
<3.35%>
月返済元本:15,717円
月返済利息:55,833円
ご覧の通り、金利2.00%でも返済額の半分以上が利息に消えているのに、3.35%になると元本返済はわずか1万5千円ほどです。 これでは、いくら返済しても元本がなかなか減らず、利息ばかりを払い続ける構造になってしまいます。
ちなみに、住宅ローンの変動金利は現在おおよそ0.85%前後。この場合の返済内訳は以下の通りです。
<0.85%>
月返済元本:57,383円
月返済利息:14,167円
まさに雲泥の差です。しかも住宅ローンには住宅ローン減税まで適用されるため、実質的な負担はさらに軽くなります。
投資目的で住宅ローンを利用する行為が、一部で問題視されています。
ここまで金利差が大きいと、知識が浅い人ほど「つい魔が差してしまう」こともあるかもしれません。 しかし、言うまでもなく、住宅ローンは「自己居住用の住宅取得」を目的とした制度であり、投資目的での利用は明確なルール違反です。
2026年前半の投資ローン金利
2026年1月~6月までの投資ローン金利が決まりました。
結果から述べると、「3.30%」で0.05%の微減でした。
上がると思ってましたが、少し予想外の結果でした。私以外にも、下がったという投資仲間もいるので、全体的な傾向のようです。
その要因ですが、2025年後半の金融政策決定会合では、日銀は3会合連続で政策金利を据え置きました。背景には、景気の先行き不透明感や、消費の弱さ、企業の投資控えなどがあり、「金利を上げたいけど、上げられない」状況が続いたことが考えられます。
しかし、12月18日・19日に予定されている日銀の政策決定会合では、利上げが実施される可能性が高そうです。さらに来年の春闘についても労働組合側が強気な姿勢を見せており、利上げの後押しとなりそうです。
ですので、2026年後半以降には、投資ローンの金利にも影響を与えている可能性が高いと考えた方が確実に良いでしょう。
現状のローン返済状況
日銀がマイナス金利を解除したのは2024年3月、そして同年7月には追加利上げを発表しました。
それ以降、各銀行が預金金利や住宅ローン金利の引き上げを次々と発表。さすがにこの状況で何もしないわけにはいかず、借り換えの検討や金利交渉なども試みました。ただ、最終的に取った対策は「繰上げ返済」でした。
金利交渉はそもそも「交渉の場」すら設けてもらえず、借り換えには手間も手数料もかかります。それなら、その時間を副業などに充てて収入を増やし、返済に回した方が得策だと判断しました。正直、打てる手は限られています。
その結果、2025年末時点での住宅ローン残高は「約770万円」にまで減少しました。
投資信託の売却や保険の解約による返戻金を使えば、完済も可能な水準です。
ただし、今のタイミングで不動産所得をプラスにしてしまうと、課税所得が増え、税金や社会保険料の負担がさらに重くなってしまいます。現状でも毎月かなりの額が天引きされており、せっかく稼いでも手取りが増えない状況です。
この状況を踏まえると、完済のタイミングは慎重に見極める必要がありそうです。
一方で、この770万円を完済すれば、「サイドFIRE」が現実味を帯びてきます。
経費や固定資産税を除けば、毎月約5万円がほぼ何もせずに入ってくることになり、サイドFIREをする上では、大きな安心材料となるのは間違いないでしょう。今後どうしていくのか、どうなりたいのかで、立ち回り方が大きく変わり、どうしたものかとまだ結論が出ていません。
まとめ
本記事では、新築区分マンション投資を始めてから約4年が経過した時点での変化について振り返ってきました。
正直なところ、たった4年でこれほど状況が変わるとは思っていませんでした。知識が不十分なまま、浅はかな考えで始めてしまったことが、今の結果につながっているのだと痛感しています。
「借り入れ当初から金利は上がっていない」という投資家もいて、金融機関、あるいは個人の属性、紹介経路などによってここまで変わるものかと、不満を言いたくなるのが本音です。ただ、最終的にはすべて自己責任ということなのでしょう。
とはいえ、そこまで悲観する必要はないのかもしれません。予測は常に悪い方にしておくものですが、最悪、自分で住むこともできますし、選択肢はいくつかある状況にはなっています。
不動産投資もインデックス投資と同様、基本は長期目線です。賃貸収入でコツコツと回収を進めつつ、売却のタイミングを見極めることができれば、最終的にトータルでプラスに持っていける可能性はまだ十分に残されている、、と、思ってます。





