高金利はもはや遠い昔の話で、低金利こそが日本の“当たり前”になっていました。
1999年にゼロ金利政策が導入されて以降、日本は25年以上にわたり異常なまでの低金利環境に置かれてきました。しかし、その時代もついに転換点を迎えています。
2024年3月の金融政策決定会合で、日銀はマイナス金利の解除を決定しました。日本では実に17年ぶりの利上げです。その後も政策金利は段階的に引き上げられています。
私の周囲でも、「住宅ローン金利が上がって家計が苦しくなってきた」という声を聞く機会が増えました。とはいえ、住宅ローンは各種支援策が手厚く、金利上昇幅もまだ限定的です。実際のところ、生活が立ち行かなくなるほどの影響が出ているケースは多くないでしょう。
しかし、不動産投資ローンは事情がまったく異なります。
「投資の失敗は自己責任」という言葉を体現するかのように、投資ローンの金利は容赦なく上昇しています。放置すれば、家計そのものが破綻しかねないレベルの負担増が現実に起き始めています。
本記事では、そんな厳しい状況に直面した私が、実際にどのように対応したのかを包み隠さず公開します。
金利上昇リスクに対抗する唯一の手段
金利は「じわじわ上がるもの」だと思っていましたが、ここ数年でその認識は完全に覆されました。実際には、金利はある日を境に一気に跳ね上がるものだと痛感させられています。
すでに2026年7月以降の金利は確定しており、私の場合、このわずか5年弱の間に金利は次のように変化しました。
2.0% → 3.8%
さらに、マイナス金利が解除された2024年からの推移に絞って見ても、
2.45% → 3.8%
と、短期間での上昇幅は非常に大きいものです。
こうした動きを踏まえると、現在の状況はまだ「金利上昇局面の入り口」にすぎません。いざ本格的に金利が上がり始めてから対策を講じようとしても、もはや間に合わない可能性が高いです。
では、金利上昇リスクにどう対抗すべきなのでしょうか。
金融機関との金利交渉など、考えられる手段は一通り試しました。しかし、どれも効果はなく、最終的に行き着いた結論はただひとつ。
繰り上げ返済こそが、金利上昇リスクに対抗できる唯一の手段である。
ということでした。
繰り上げ返済の推移
不動産投資の基本は、少ない自己資金で他人資本(ローン)を活用し、資産を手に入れることにあります。そこに多額の自己資金を投入してしまうのは本末転倒であり、もし投入せざるを得ない状況に追い込まれているなら、その投資は失敗だったと判断せざるを得ません。
しかし、投資ローン金利が上昇していくことは明らかでした。そこで私は、金利上昇リスクに備えるため、次のように繰り上げ返済を進めてきました。
2024年8月 500万円
2024年12月 400万円
2025年5月 200万円
2025年8月 100万円
2026年2月 600万円
2026年3月 150万円
合計:1,950万円
前述のとおり、金利上昇リスクに対抗するには、借入残高そのものを減らす「繰り上げ返済」しか実質的な手段がありません。
2024年初頭からは、限界まで節約した生活を続け、副業収入も生活費の補填に回しながら、返済資金を捻出してきました。それでも足りず、保険の解約返戻金やNISAの一部を取り崩し、なんとか現金を確保しました。
結果として借入金はゼロになり、精神的には大きな解放感がありました。しかしその一方で、手元の現金はほぼ空になってしまい、当面は節約生活を続けて生活防衛資金を回復させる必要があります。
「これでは何のために投資をしたのか」と自問せざるを得ない状況です。
まとめ
正直なところ、私は金利上昇リスクを甘く見ていました。金融機関は、利益を最大化しようとここぞというタイミングで一斉に金利を引き上げてきます。
最近では、ローン審査が厳しくなり、融資の締め付けが始まっているという話もよく耳にします。金利上昇によって金融商品の選択肢が広がり、金融機関にとってローン金利だけが収益源ではなくなってきた、という背景もあるのかもしれません。
そして何より、金融機関自身が今後の不動産市況を慎重、あるいは悲観的に見ている可能性すら感じます。
いずれにせよ、今回の一連の対応で負債はなくなりました。しかし同時に、多額の自己資金を投入した以上、これをどう回収していくのかを考え続けなければなりません。
約2,000万円。
もしこれをオルカンやS&P500といったインデックス投資に回していれば、どう考えてもリターンは大きかったはずです。とはいえ、それらすべてを売却したわけではなく、一部の資産を不動産に移し替えたという考え方もできます。
あとは、この投資のリターンを今からでも増やしていけるのか、やれることはいろいろやっていこうと思います。





