区分マンション投資はオワコン【絶望的状況から勝機を見出すには】

区分マンション投資はオワコンです。

……と断言してしまうと、自分の「負け」を認めるようで正直かなり不本意なのですが、少なくとも昔のように“買えば勝てる”時代が完全に終わっているのは事実です。

では、なぜそう言えるのか。

本記事では、筆者自身の区分マンション投資の実体験を踏まえながら、その理由を整理していきます。

区分マンション投資は絶対に稼げない?

区分マンション投資、特にワンルーム投資については、YouTubeなどでは

「絶対に稼げない」
「手を出すのは情弱、アホ」
「購入した時点で大損が確定している」

といった否定的な意見が目立ちます。

ただ、実際に一連の取引を経験した立場から言えば、こうした意見には誇張も多いと感じています。確かに、YouTubeで紹介される失敗談はひどいものが多いですが、それらは悪質な業者に引っかかった“極端なケース”が中心で、実際にはそこまで悲惨な状況になる人ばかりではありません。

私自身、築浅ワンルームマンションを2件、2019年に購入し、2024年に売却しましたが、そのうちの1物件だけで見れば最終的にプラスで終えています。(詳細は以下の記事をご参照ください)

購入も売却も初めてで、ド素人ゆえに業者にうまく利益を持っていかれた部分はあったと思います。それでも、2件トータルでマイナスにはなりませんでした。

さらに言えば、私が購入した物件を2011年に新築で購入した前オーナーは、相当な売却益を得ているはずです。その理由は、登記簿に記載されている抵当権情報から債権額がわかり、そこから当時の借入規模を推測できるためです。

もちろん、債権額=借入金額ではありませんし、頭金を入れていた可能性もあります。しかし当時の相場を調べても、フルローンで購入していたと考えるのが自然で、その金額と私が購入した価格を比較すると、前オーナーはかなりの利益を手にしていると推測できます。

また、当時出版された複数の書籍を読んでみると、2011年頃にはすでに「単身者向けワンルーム需要は今後増える」という見立てが存在していました。

そして2026年の今、その予測は見事に的中していると言えるでしょう。

予測が的中すれば、それによって利益が得られる、あるいはその「おこぼれ」をもらえるというのは自然なことです。つまり、区分マンション投資は稼げないということはなく、他の投資と同様に、市況を読み、レバレッジを効かせて、購入・売却のタイミングを見極めることができた投資家は、しっかり利益を得ているということです。

しかし、区分マンション投資家がこれまで経験してきたような、「レバレッジを効かせた区分マンション投資」の難易度が跳ね上がっているということも事実です。

これからは、区分マンション投資を含む、不動産投資に素人が手を出すと、近い将来にかなり厳しい現実に向き合うことになってしまうように思えてなりません。

区分マンション投資が「オワコン」と言われる理由

はじめに断っておきますが、私は不動産業界の人間ではありません。そのため、誰かに不動産投資を勧めたり、特定の立場に偏った意見を述べるつもりもありません。

そのうえで、これから区分マンション投資はますます厳しい状況に向かっていく──これは私個人の率直な見解です。

そう考える理由として、次の点が挙げられます。

・金利上昇でレバレッジ効果が消えた
・管理費・修繕積立金の上昇
・出口(売却)が弱い

もはや言うまでもないポイントかもしれませんが、それぞれについて簡潔に整理していきます。

金利上昇でレバレッジ効果が消えた

不動産投資における「レバレッジ」とは、少ない自己資金で大きな資産を動かすために「借入(ローン)を使うこと」を指します。自分のお金だけでは買えない規模の物件を、銀行のお金を使って買う仕組みと考えればわかりやすいかと思います。

これまでは、区分マンション投資を始める初心者でも、1%台の低金利で融資を受けられる時代が続いていました。私自身も最初の金利は 「1.85%」でしたし、大手上場企業に勤める知人は「1.6%」で融資を引けていました。

その水準であれば、2,500万円程度のワンルームマンションなら、フルローンで2戸・3戸と買い進めることも可能でした。

しかし、ここ数年で金利は一気に上昇し、多くの投資家がキャッシュフロー悪化に直面しています。特にワンルームは家賃が大きく上がらないため、金利上昇の影響をダイレクトに受ける構造です。

つまり、これから区分マンション投資を始めようとする場合、相当額の頭金が必須になります。2,500万円の物件なら、300万円以上は用意しなければならないでしょう。

「サラリーマン」という属性頼みのフルローン・オーバーローンはほぼ消滅し、区分投資の“うまみ”が消えてしまいました。

そして、これだけの自己資金を投入するとなると、他の投資の方が魅力的に見えてきます。

300万円を回収し始めるまでには、どれだけ早くても10年はかかります。一方で、その300万円を年利4%で10年間複利運用すれば、約444万円になります。20年後、30年後には、埋めようのない差が生まれるのは明らかです。

管理費・修繕積立金の上昇

昨今の物価上昇に伴い、管理費や修繕積立金が値上がりしているのは周知の事実です。

不動産投資では、築年数が進むほど管理費・修繕積立金は上昇する一方で、家賃はほぼ横ばいという構造的な特徴があります。そのため、時間が経つほど収益性が悪化していくのは避けられません。

管理費や修繕積立金が上がるのであれば、家賃を引き上げるしか収益性を維持する方法はありません。しかし、家賃はすぐに上げられるものではなく、トラブルの原因にもなります。

特に深刻なのが築古マンションです。築古物件は急増しており、供給過多の状態になっています。その結果、管理が行き届かなくなり、管理会社が撤退するケースも増えています。こうした背景から、管理不全マンション問題が今後さらに顕著になる可能性があります。

実際、管理費・修繕積立金の上昇によってキャッシュフローが悪化している投資家は非常に多く、これは区分マンション投資の大きなリスクとして無視できません。

出口(売却)が弱い

区分マンションは、買い手が投資家に限られやすく、価格が景気や金利の影響を強く受けるという特徴があります。特にワンルームはその傾向が顕著で、実需で購入する層がほとんど存在しません。

その結果、売却先の多くは不動産業者になりますが、業者買取はどうしても安く叩かれやすく、満足のいく価格で売却できないケースが多いのは容易に想像できるでしょう。

それでもこれまでは不動産市況が活発だったのでやりやすい部分はありました。ただ、市況が鈍化しているときの売却は困難を極めるのは明白です。

区分マンション投資で勝機を見出すには

ここまで、区分マンション投資が「オワコン」と言われる理由を整理してきました。これらは一般的に語られている内容であり、特別目新しいものではありません。

ここからは、私が所有している横浜の区分マンションで“どうすればリターンを得られるのか”を考えていきたいのですが、正直なところ 打てる手はほとんどありません。

金利上昇リスクについては、繰上げ返済によってローンを完済し、ひとまず対処しました。残る課題は、そのために投入した多額の自己資金をどう回収するかです。

現状は以下の通りです。

・家賃は上がらない
・管理費・修繕積立金は上がる
・売却益も出にくい

この状態で勝機を見出すのは、どう考えても現実的ではありません。

本記事の冒頭でも触れたように、区分マンション投資でリターンを得ている人は確かに存在します。しかし、少なくとも私の所有している物件では、どう頑張っても同じ結果にはならないと断言できます。

キャッシュフローで自己資金を回収しようとすれば、いったい何十年かかるのか。そもそも回収できるのか。

新築区分という構造的なハンデに加え、多額の自己資金を入れてしまった後では、魔法のような解決策は存在しないと言わざるを得ません。

強いて挙げるとすれば、「減価償却 × 年収アップによる節税」くらいでしょうか。

新築物件なので減価償却はまだ多く残っており、減価償却は「経費」にできるため、所得税率が高いほど節税効果は大きくなります。

昨年の私の本業年収は750万円でしたが、この水準では節税効果はまだ限定的です。もっと年収を上げて税率を引き上げ、減価償却による節税額を増やし、その差額を“リターン”として積み上げていく──現実的に考えると、それくらいしか手段がありません。

本当は、副業収入を給与所得と損益通算できれば良いのですが、税法上それは不可能です。

それでも、副業を事業化して事業所得にし、青色申告特別控除や幅広い経費計上を活用しながら、区分投資で失った自己資金を別の収入源で取り返していく。これが、現状で最も合理的な戦略だと考えています。

まとめ

長々と語ってきましたが、要するに 私の新築区分マンション投資は失敗に終わりました。

キャッシュフローの詳細などは、別の記事で公開するかもしれませんが、結果はかなり厳しいものでした。

今後は、この失敗を「動機」に変えて、別の領域で取り返していくという考え方にシフトするしかありません。

とはいえ、家賃収入が入ってくるという事実は変わりません。

分散投資の観点から見れば、ポートフォリオに投資用不動産を組み込むこと自体は、決して悪い選択ではないとも思っています。

景気が冷え込んだとしても、衣食住の「住」に該当する家賃収入が完全にゼロになることは考えにくいでしょう。

そんな、自分にとって都合の良い“ポジショントーク”のような整理ではありますが、ひとまずはここで本記事を締めたいと思います。